2005年10月22日

製造業は骨格で大事なはずだが・・・

起業をすると言うのはその規模に関わらず誰しも不安のあるところ・・・。
起業と言うとおこがましいが、私は今の仕事を30代で独立しようと目標を立てた。
それで27歳の時に独立した。資本金は、約50万円ほど、それと1年間遊んでも何とか
凌げる貯金が300万円。このお金はせっせと貯めた金だ。
もちろん会社組織ではなく、たった1人の事業主だ。始めた場所は実家の敷地の3畳ほどの物置。
そこに机1つと流し、電話、それと学生時代に集めた中古の機械。後は手作りの道具などなど・・・。
なるべく資金を抑えて始めた。その時点で得意先はゼロだ。
当時、この業界は儲かると言う話を聞き、これはうまみがあると私も始めたのだが・・・。
実は既に良い時期を過ぎて下降気味の時期に私は運悪く始めた事になる・・・。

営業の経験も無く1人、スーツを着て飛び込みで仕事を獲得すべく出かけた。
行ったものの中々入り口から入る勇気が出ない。第一声はなんと声を掛けて
入れば良いのか自分なりに色々考えてはいたが、足が止まった。
とにかく飛び込まなければ仕事は取れない。しかし飛び込みで取れる確率はかなり低い。
だがやるしかない。意を決して「元気良く!」と自分に言い聞かせて飛び込んだ。

担当者に会う事が出来れば何とか話しになるのだが、ほとんどが体よく門前払い。
だが本当に欲しているところなら必ず会ってくれるはずだ。仕事を試しにでもやらせて
くれれば技術と自信は持っている。だが何軒も周るが担当者と会う事すら出来ない。
それでもやっと仕事を1つ取ることができた。だが、仕事が出たら電話するとの先方の話だ。
しかし私は、毎日その先方に出向いたがそのたび「仕事があれば電話します・・・」
と言葉が返って来る。それでもめげず「こんにちは、仕事のご用はございませんでしょうか」と
毎日出かけた。「ですから・・・」と先方。営業とは難しい物だと肌で感じた。

仕事が取れない余った時間をパチンコで潰す。でも意外と当たり毎日1万円ほど
儲かるのだ。これならパチプロもいいかなぁ、なんて考えた事もあった。

その後数ヶ月が経ちその先方の事は諦め掛けていたのだが、ある日、電話があった。
仕事を出したいので取りにきて欲しいとの事・・・実に嬉しかった。
喜び勇んですっ飛んで取りに行った。出た仕事はたった3つほど。値段にすれば2,000円
ほどの仕事だ。だが嬉しさが先立つ。

そんなこんなで何とかそこから仕事が少しづつ出るようになった。しかし、人間やれば
何とかなるもので営業など一度も経験が無かったが慣れると言葉も流暢になるもので
断られても次のステップへとモチベーションをもっていけるのだ。
まずは、1歩足を出す事が大事だと実感した。そんな模索状態で始めた仕事だが、
なんとか今まで続いている。
今思うと、始めた当初の頃が1番儲けは良かった。やる気も違っていたし若かった・・・。

今話題の楽天の三木谷氏も始めた頃は6畳一間だそうだが、だが私とは雲泥の差だ。
あれよあれよ急成長で今じゃ何10億売り上げているんだろう。
こつこつ作って自分だけで製造販売している少し特殊な製造業は食べるだけで
精一杯だ。この職種、実は企業も目を付けた事がある。その頃この職種はは儲かると
言われていた。結局企業は、調査はしたらしいが製造部門には参入しなかった。
何故か・・・。
おそらく大量生産ができない事が(仕事の性質上オーダーメードなのだ)理由だろう。
それに下請けの構図は変わらない。

そんなわけで大量生産が困難なこの職種は未だ手作りの部分が多い。
故にこの仕事は、希少価値が無ければならないはずだがそれも実のところ
現在飽和状態。儲かると言われて供給が増えたのだ。
今では、1日3万売り上げれば上々だが2万円売り上げるのも大変だ。

何とかファンドやIT企業は自分で生産するというより金を転がして利ざやで
大儲けか情報や流通で大儲け。実体のない物が儲かる世の中だ。
当ればでかい。しかし、金融業なんてのは、それこそ作る努力がない。
言わば人の褌で相撲を取るようなもの。いや、相撲なんて取ろうなんて
端から思わないだろう。お金持ちになる土壌にはあるようだ。何故なら
小作に作物作らせて自分じゃ作るなどしない。または、賭場を開く元締め
のような物で上前はねて儲ける。なんだかそれと変りはしない。
それが勝ち組みへと繋がるんだろう。体を使わず頭を使う労働って言いたい
だろうけど・・・。都合の良い構図であることは違いない。

だが、IT業界だってのんびりやって成功するわけではないだろう。成功する人間も
いるが失敗して消えていく人間も沢山いることだろう。それはどの職種も区別はない。
努力した人間だけが報われるとも限らない。何が成功をもたらすかは夢と希望、目標と
努力とチャンス。それらを含めて才能と言うのだろう。それらが欠けても成功をもたらす
事は出来ないかもしれない。とは言うものの現状製造業の殆どが軽んじられている
傾向にあるのはどうしても否めない。

Posted by c-bird at 2005年10月22日 09:00
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