2005年10月11日

敵も使いよう(フライフィッシャー)

少し釣りの話でも・・・・

アユというのは、石についているコケをはむ。つまりコケが餌なのだ。
しかし、アユの稚魚は、小さな水生昆虫などを捕食する。
それでアユの稚魚が放流された川には、数ヶ月毛ばり禁止となる。
つまり良い時期フライフィッシャーはその川から締め出しを食らうのだ。
実際毛ばりでアユの稚魚は釣れてしまう。私も試しに釣った事がある。
しかし、フライフィッシャーを締め出すほど稚魚には影響がないのだ。
それにも関わらず、ただ毛ばりは駄目だという説得力のない理屈だ。

ところがある時その川に大量に鵜が来るようになった。
鵜たちにとっては人の入らない川で餌となるアユの稚魚を食い放題で絶好の餌場なのだ。
少し前ニュースなどでも取り上げていた川にボラが大量発生した報道も記憶に新しい。
そのボラを狙って何処ともなく鵜が集まってボラを食いまくっていたのを覚えているだろう。
アユの稚魚を放流してフライフィッシャーを締め出した川もそれと同じ状況になった。

それで、漁協は考えたのだ・・・
このまま折角放流したアユを鵜に全部食い荒らされてしまう。大損害だ。
ならばと今までフライフィッシャーを締め出しにしていた禁漁区で毛ばりを使用する
事を許可したのだ。そのお陰で鵜は激減してアユの稚魚は食われずに済んだのだ。
つまり人が始終その川に出入りするので鵜は放縦に出来ないのだ。
確かに稚魚は毛ばりに掛かるがアユそのものを駆逐するほど釣れるものではない。
それにフライフィッシャーマンの狙いはアユではなくヤマメやイワナなのだ。
漁協は、そのお陰で鵜からアユを守ることが出来た。そして私達フライフィッシャーも
今まで釣ることの出来なかった禁漁区を開放してもらう事により心置きなくフライフィッシング
を楽しむ事が出来るようになった。
物事は何かの拍子にころっと変る事があるものだ。

Posted by c-bird at 2005年10月11日 21:15
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